イベント『星環世界』の喜多日菜子
はじめに
この記事では、2021年8月末に開催されたアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージの6周年記念曲『星環世界』を扱ったゲーム内イベントにおける、喜多日菜子まわりの話題をおさらいします。投じられた話題を並べ、注目すべき点を洗い出します。
この記事は喜多日菜子 Advent Calendar 2021の20日目の記事です*1。
イベコミュ自体のおさらい
事務所のアニバーサリー記念のムービーの収録とその記念ライブにまつわる一連の話が扱われています。砂塚あきらを中心に、ムービー側シナリオと現実側シナリオが入り混じって進行します。
記念ムービー
世界観
- 人類は、宇宙に進出したものと地球に残されたものに二分されている。
- 宇宙に進出した人類はクローン技術で殖える社会の部品であり、個性や夢といったものは宇宙政府のもとに否定されている。
- とくに地球側の人類については言及されていないが、宇宙側に限定するような表現もない。
- 地球は乏しい資源を奪い合う過酷な環境である。
- 宇宙政府のもとには文化は禁止されている。「アイドル」は『個々人の尊重と自己実現』を謳う文化であり、例に漏れず禁止されている。
ムービー内の展開
イベントの本筋のコミュだけでなくアナザーコミュがあり、ムービー側の展開が補完されています。
- (OP)アキラ・チエリ・フレデリカは宇宙側で、小惑星調査班として活動。調査に赴いた小惑星で、その時代では禁止されている文化である「アイドル」を知ってしまう。
- (1話)「アイドル」を発掘した一行は収監された。宇宙警察として活動するサナエ・カナデ・カエデは、禁止された文化を発掘して収監された者がいることを知り、興味を持つ。
- (2話、A1話)宇宙歴1021年47日目。宇宙警察の面々の補助により小惑星調査班の面々は脱走する。窮地を「アイドル」と「ダンス」の継承者であるヘレンに救われる。
- (A1話)宇宙側の面々はヘレンの薫陶により「ダンス」を知る。またヘレンの導きで「アカシックレコード」を目指す。
- (A2話)宇宙歴1021年176日目。「アカシックレコード」スズホの力で、かつて個性に溢れた時代の「アイドル」の「歌」を目の当たりにするも、追手につかまる。
- (3話、A3話)宇宙歴1021年226日目。地球に降着する宇宙側一行をヒナコ・ユカ・ユミの地球側人類が迎える。
- (4話)ヒナコ博士を筆頭とするヒナコ研究所で、地球側人類は宇宙へ再進出するためのロケットを作っていることが明かされる。
- (5話)宇宙側一行との交流によりロケット開発は急速に進捗する。ここまで定まっていなかったロケットで宇宙進出して最初に地球に放送する内容が、アキラの発案によって決まる。
- (ED、A5話)宇宙歴1023年174日目。ロケットが打ち上げられ、アキラの発案に従い「アイドル」の「歌」が人類圏に放たれる。
- (A6話)宇宙歴1023年190日目。月にある宇宙政府本部で月の女王・ノアと一行が対面する。すべての文化が解禁される。
現実パートを中心にした整理
- OP
- ムービーの冒頭シーンセリフから、「アイドル」とは何だろうかという疑問の提示
- 1話
- アイドルが禁止された未来という設定から、これまでもアイドルの在り方は変化していることをうけ、未来の流行、未来のアイドルの姿というのはどんなものだろうかという疑問の提示
- 2話
- 流行の移ろいから、ファッションの流行り廃りを経て個性に関する話題へ転換、流行りでなくとも良いと思えば良いのだという主張を提示
- 人は誰かと同じになりたがり、未知のものを恐れるものだという主張に対し、果たしてそうだろうか・納得がいかないという感覚を提示
- 3話
- 2話の感覚を解消。それぞれに個性があり、それらが混じりあうからこそ知らないことに触れられて面白いのだとまとめる
- 4話
- 技術の進歩に触れ、技術についていけないのでは、より悪くなるのではないかという不安の一方で、単にワクワクしてもよいはずと提示
- 5話
- 技術の進歩に対する不安とワクワクを、ムービー中の宇宙進出への不安とワクワクに繋げ、重力を振り切って変化していく・変化していけることがことがよいのだと提示
- 景色やプレッシャーを振り切る感覚からLIVEは宇宙と似ているという連想を提示
- ED
- 結局アイドルとは何かの答えは出ていない。未知のことが広がっていて、それが面白いから、これからも進んでいくのだと提示
『星環世界』の喜多日菜子
科学者のヒナコ博士
星環世界イベコミュの劇中劇では、地球に取り残された側の人類である、科学者のヒナコ博士として登場しました。人類の進歩と自由の象徴たるロケット作りを推進しています。
デレステ6周年CMでのセリフは、ヒナコ博士と喜多日菜子との繋がりをより強調してくれます。
こうした途方もない夢をリードする存在を演じる人物として、想像力と好奇心と前向きさに特徴がある喜多日菜子を選ぶのは、あまりに的確であると言えます。
現実側の喜多日菜子
ヒナコ博士が好奇心や前向きさといった日菜子の面をアピールしていることにバランスを取ってか、現実側の日菜子はコミカルさや夢みがちな様子が表に出ています。既存要素の確認に加え、アピールの強い交流が複数含まれました。
SFも『これはこれで』
『TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!』イベントコミュでは共演者を自ら考案したラブロマンスに投じた日菜子ですが、今回のSFなストーリーもその妄想力はカバー範囲でした。
シンデレラガールズ劇場第1251話『日菜子コンティニュー』において、ガンシューティングゲームを遊ぶ日菜子の様子が描かれています。コンティニュー時に違う導入で始める様子のなかには、タイムリープや実はアンドロイドでといったSFの要素が見受けられます。
あきらとの買い物と流行り廃り
話の流れだとかこのくらいの女性アイドルがというのもありましょうが、日菜子があきらに誘われて服を見に行くあたりの展開においては、日菜子側にもファッションへの関心があることを確認しておく必要があります。
日菜子には地元秋田の頃も上京してからも、洋服や小物のお店を見る習慣があります。流行り廃りの激しさを目の当たりにすることも少なくないことでしょう。あきらが気に入っていた店が変わってしまっていた場面において、日菜子が「仕方ない」と発するのも、それなりの実感が伴うものだろうと察せます。
今後注目したい点
砂塚あきらと喜多日菜子の縁
砂塚あきらと喜多日菜子はスリーサイズが78-56-78で一致、さらに身長も近く、何らかの交流を期待する声は以前からありました。こうした状況でファッション絡みでの交流が描かれたことは、後に拾われうる要素として期待が持てると言っても良いでしょう。
日菜子によるあきらの王子様度評価もつき、あきらにはVRが必要ないのではと言わしめるほどの妄想力・トリップ力を印象付けた点も含めて、たとえばよりクール方面に倒した日菜子や、王子様やファンシー方面の演出がついたあきらといった、どちらかのフィールドにもう一方が引き込まれるような展開も、やりやすくなったのではないでしょうか。
宮本フレデリカと喜多日菜子の縁
ここまでほぼ紹介してきませんでしたが、フレデリカと日菜子のやり取り・掛け合いは『星環世界』イベコミュ内だけで3回あり、波長の合う相手であることを強くアピールしたうえで、一緒にレッスンするような状況でもあることが開示されています。
- あきらの王子様度について盛り上がる日菜子に油を注ぐフレデリカ
- フリーダムが大気圏を突破するフレデリカに夢はそのくらいでなければと同調する日菜子
- この後一緒にレッスンがある日菜子とフレデリカ
喜多日菜子と宮本フレデリカは、[フューチャー・スペース]島村卯月の特訓前に映り込む形で登場した後、島村卯月を含めた3名での営業コミュが公開されるなど、活動が続いています。 注意すべき点として、卯月のSSRと同じく公開された、[アストラル・スカイ]渋谷凛の事例があります。特訓前で同じように登場した渋谷凛・白雪千夜・松永涼の面々については、2021年9月にユニット『Sirius Chord』とそのユニットによる楽曲『Drastic Melody』が公開されています。
同じパターンで何らかの活動があることは、素朴に期待できる状況にありそうです。
おわりに
この記事では2021年8月末にデレステ内で開催されたイベント『星環世界』のコミュに描かれた喜多日菜子の話題を確認しました。
喜多日菜子は念願の周年曲参加でありつつ、劇中劇でも大役を任されました。壮大な夢を描き叶える科学者役を通して、公式展開では初めての日菜子の一面の切り出し方がみられたほか、今後の展開でも繋がりやすそうな要素が散りばめられた、そんなイベントでした。
*1:遅刻
*2:『今回は夢見がちな乙女な日菜子ちゃんよりも、ドキドキワクワクキラキラ!を意識してパッション味が強い日菜子ちゃん』 https://twitter.com/seria926/status/1433668618563121152