今が知りどき! 今日から始める喜多日菜子2020

この記事は、喜多日菜子アドベントカレンダー2020の15日目の記事です*1

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はじめに

2020年12月、シンデレラガールズの世界に喜多日菜子が登場して9年が経とうとしています。いま、喜多日菜子を知るにあたって、過去に例を見ないほど適した時代が訪れています。

この記事では、ステレオタイプな喜多日菜子像を簡単に確認し、CV獲得以後の喜多日菜子がこれまでに何を獲得したかをまとめ、そこから期待できる今後の活躍を簡単に妄想します。

この記事を読めば、喜多日菜子のことを何も知らないところからでも、最近の喜多日菜子を雰囲気で知っている状態になれるはずです。

よく知られた喜多日菜子

喜多日菜子は、秋田県出身の15歳。妄想が趣味の、王子様との出会いを夢みる女の子です。

「むふふ」

日菜子の出番で最も主張が強い箇所は、その中身もさることながら、「むふふ」という表現とその表情にあるでしょう。

楽しいときの感情表現や、含みを持たせたような笑いかけ、妄想そのものや興奮させるような何か、その他様々な繊細なニュアンスを表すためにも用いられ、日菜子を特徴づける表現といえます*2

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[パンジーズフェアリー][ファンシーポリス]の思い出エピソードより。顔面が溶けがち

妄想

日菜子にとっての妄想は、いつでもどこでも素敵なことを楽しめる娯楽でありながら、よりむふふな展開を求めるストイックさにも通じています。日菜子自身の活力の根源でもあり、日菜子を語る上では欠かせないものです。

日菜子の妄想は語られたうちだけでも極めて多彩なバリエーションがありますが、定番化している要素をあげると、「急展開」「ピンチが訪れる」「王子様のような役どころの人物が登場する」あたりはよく取り上げられます。

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シンデレラガールズ劇場わいど☆第158話より。

王子様

日菜子は、白馬に乗った王子様に迎えに来てもらえる日を夢みています。物語の中では王子様が迎えに来るのはお姫様だから、お姫様になりたいと願ってきました。

アイドルとしてのスカウトに即答したのも、物語に登場するお姫様そのものになることはできないけど、お姫様みたいなアイドルになることはできると考えたからでした。

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デレステ無印R特訓エピソードより。

もちろん、お姫様となること自体も日菜子にとっては重要なことです。王子様だけでなく、みんなに愛されるお姫様の姿に、日菜子は憧れています。

最近の喜多日菜子

2018年のCV獲得以後、喜多日菜子に関しては、大きなひとつのプロジェクトであるようにも思える一貫した展開が続いてきました。ユニット曲、ソロ曲、カバー曲や各種イベント、SRやSSRとして登場するたびに、喜多日菜子という人物はさらに活き活きと輝きを増し続けてきたのです。

アイドルとしての魅せ方を確立

[ギュっとMilky Way]および同イベントコミュにて、王子様への強い想いを、多くの人が共感できる、応援したくなるような姿として、アイドルとしての特徴に昇華させました。日菜子自身の得意分野を活かしつつ、他者を引き込むためにどうしたらいいかを、同コミュではユニットという前提も加えて、答えを出しました。

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『ギュっとMilky Way』イベコミュ第5話「To unite our hearts」より。

[あなたに捧ぐ王子様]では、みんなにとってのアイドルと、日菜子にとっての王子様は、同じように憧れを形にする存在だと気付きました。お姫様のようなアイドルとして、みんなに喜ばれ、愛され、夢中にさせたいという段階から、王子様という自身の憧れとの繋がりを見出しました。日菜子がさらに先へ踏み出すカギを手にしたことに、他なりません。

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[あなたに捧ぐ王子様]特訓演出より。誰もがどこかで手を引かれたいと知っているから、一番素敵なことをやる。

類い稀な妄想力から、見る者を引き込む多彩な世界観へ

「妄想のプロ」としての自己認識、[ファンシーポリス]や営業コミュで見せた、メルヘン・ファンシーばかりに縛られない引き出しの多さと瞬発力は、特徴というだけでなく、他に真似のできない日菜子の強さとして整いつつあります。

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シンデレラガールズ劇場第1251話、第1425話より。多彩な引き出し

[お菓子なドリーミング]やTAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!イベコミュでは、夢中になれなきゃ夢じゃない、現実味がなければ冷めてしまう、などと妄想や夢に対する要求の高さが強調されています。また妄想を形にすることの難しさに直面する様子も描かれました。

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[お菓子なドリーミング]特訓エピソードより。思いを形にしようとしたことがある人なら誰もが共感するでしょう

[どうぞ、お手を…]では、妖しい魅力をまとうレディとして、繊細な世界観を演出してみせました。

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[どうぞ、お手を…]マイスタジオテキストより。

冒険に試練はつきもの、その先の宝物を目指す主人公性

[見果てぬ夢]では、妄想のなかでも「百難越えてのハッピーエンド」を望むように、現実の試練に対してもその先の幸せを信じて立ち向かい、そんな冒険をさえ楽しむ度量をみせました。

妄想の中くらい何もかもが思い通りに進んでいいんじゃ……と? それはダメです! 妄想だからこそ百難越えてのハッピーエンドがいいんです! 日菜子は妄想のプロですから!それは現実でもそう思ってますよ? 苦しくても……乗り越えたら幸せがあると信じてますから挫けません! だからこれからも……日菜子をよろしくお願いしますね プロデューサーさん♪
シンデレラガールズ劇場第1142話より。CLIMAX SEASONでアニメ化もされました。

[ギュっとMilky Way]イベコミュでも、経験のない挑戦を前にして躊躇せず、行き詰った状態を前にして自分から場を動かそうとする姿勢として、繰り返し描かれています。

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ギュっとMilky Wayイベコミュより。とりあえず、飛び込む。試練の先には、宝物。

ソロ曲「世界滅亡 or KISS」においても、こうした強い主体性は通底しています。

berlysia.hatenablog.com

これからの喜多日菜子を妄想する

この項目は今後の予想ですから信頼性はないに等しいですが、ここまでの喜多日菜子の展開から地続きに予想できることを挙げていきます。

みんなを夢中にさせる、妄想の世界へ

妄想を形にする難しさ、他者を真剣にさせる難しさを身をもって知りながらも、他者を夢中にさせたいと望む日菜子。

ファンも、共演者も、あなたも。みんなを引き込み、真剣にさせる日菜子の世界を、私たちは見ることになるでしょう。

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[お菓子なドリーミング]特訓エピソードより。

とくに日菜子主役の公演系イベントや作中劇は、根強く期待の声があります。昨今のアイドルとしての基礎を確立しつつある日菜子ならば、様々な困難からのカタルシスの演出まで、説得力あるものになるでしょう。

王子様への想いから転じて、多彩な思慕・愛情表現の起点に

ドリームアウェイでの活動を通して獲得した魅せ方の転換は、想いの強さをアイドルとしての強さにも繋げるものでした。

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[ギュっとMilky Way]喜多日菜子特訓演出より。

日菜子自身の強い想いと多彩な世界観表現力、どうやって他者を夢中にさせるかという視点ともあわせて、熱烈さばかりではない、多様で奥深い思慕・愛情の表現を任されるようになっていくでしょう。

アイドルとして、憧れられる存在としての一面を確立へ

共演者さえ勇気づける日菜子の前進性は、ファンにも強く伝わるものになっていくでしょう。誰よりも前で夢を現実にし、またその姿でみんなを勇気づけていくことでしょう。

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[夢みるプリンセス]特訓エピソード、[トゥルー・ドリーム]特訓演出より。みんなに愛されるお姫様と、王子様に愛されるお姫様。

また上述したように、王子様もアイドルも憧れを形にする存在と気付いた日菜子は、自らの王子様への憧れからも学び、アイドルとしてファンへ見せる姿を、より進化させていくでしょう。

さらに広がる交友、新しい一面を互いに引き出しあう

妄想や行動力による前進性にとどまらず、相手のことをよく観察して、気質や考え方に合わせた寄り添い・提案ができる日菜子は、繊細さと勢いを使い分けるオールラウンダーです。

妄想といえば日菜子、王子様といえば日菜子、さらに発展して、想像力や現場の火付け役としての役回りは定番となってきました。

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未完成の歴史イベコミュ、ギュっとMilky Wayイベコミュ、営業コミュ「夢見るひなの恋するいぶき」より。ところでキタキターズの出番はまだですか?

TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!イベコミュ、[あなたに捧ぐ王子様]での妄想キャスティングで、他アイドルたちの思わぬ一面を引き出す存在としても、日菜子だから仕方ないというだけの説得力を伴いつつあります。

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[TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!]南条光特訓前、シンデレラガールズ劇場わいど☆第311話より。

日菜子自身の人物としての特徴が明確になったこともあわせて、作劇の上でも使いやすい存在になり、活躍の幅はさらに大きく広がっていくでしょう。

おわりに

ここに挙げたのは喜多日菜子の魅力のほんの一部で、しかも筆者が整理した範囲にすぎません。まだ知られていない切り口や、押し出しは控え目だが備えている魅力というのは、見る方の数だけ浮かび上がってくることでしょう。

今後の展開についてもいくらか予想を示しましたが、すべての想像を斜め上に越えてしまっても、何もおかしくはありません。あらゆる「あたりまえ」を打ち破り、第一例を作ってきたのが喜多日菜子です。

喜多日菜子は、みんなに愛され慕われる、愛と勇気のプリンセスです。

あなたは日菜子の手を取りますか? 手を引かれる方ですか? それとも、手を取りあいますか?

叶えれば叶えるだけふくらんでゆく、果てのない夢と妄想の先へ、日菜子といっしょに歩みましょう。

さらに喜多日菜子を知る関連情報

berlysia.hatenablog.com

berlysia.hatenablog.com

berlysia.hatenablog.com

dic.nicovideo.jp

dic.pixiv.net

ドリームアウェイを繋ぐ強い想いと、佐久間まゆが喜多日菜子にもたらしたもの

この記事は、喜多日菜子アドベントカレンダー2020の9日目の記事です。

adventar.org


はじめに

イベント「ギュっとMilky Way」の開催からまもなく1周年になろうとし、そして新年ライブでの「ギュっとMilky Way」初披露が期待されています。

改めて喜多日菜子、佐久間まゆのデュオユニット「ドリームアウェイ」を整理し、このユニットの周りで喜多日菜子に何が起こったのか、ドリームアウェイとは何を託されているユニットなのか、いくらかの考察あるいは妄想を示していきます。

ドリームアウェイに関する背景知識

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改めて、ドリームアウェイは、喜多日菜子、佐久間まゆのデュオユニットです。

2018年3月、「第28回アイドルLIVEロワイヤル」で初めてユニットとして登場しました。その年の第7回シンデレラガール総選挙にて、喜多日菜子はPa属性3位でCV獲得を確定し、喜多日菜子役として深川芹亜さんが発表されます。このタイミングでのユニット設定ということから、喜多日菜子のCV獲得以後の展開において重要な一面を担うことが予想されていました[要出典]。

デレステでは、2018年12月に第7回総選挙9人曲である「Trust me」のイベントにて、ユニットとしてではない喜多日菜子と佐久間まゆとして登場します。その交流の様子は、大変なインパクトを与えるものでした[要出典]。

そして翌年2019年12月、晴れて喜多日菜子と佐久間まゆのふたりは、デュオユニット「ドリームアウェイ」として、新曲「ギュっとMilky Way」をひっさげてイベントに登場したのでした。

「ギュっとMilky Way」とはどういう曲なのか

イベント「ギュっとMilky Way」の中で、喜多日菜子と佐久間まゆは、この曲の作詞の手伝いをします。ドリームアウェイというユニットらしいアイドルソングとして、どのような曲にすべきかを、ふたりで見出していきます。

イベント内ではこの答えを、「ふたりの恋や妄想そのものではなく、恋をしているときの幸せな気持ち、妄想しているときのむふふな気持ちを届けたい」、と説明しています。

このことと対応するように、それぞれの恋心や妄想の具体的な話ではなく、誰にも共感できるような気持ちとして描かれています。また、「絶対に入れてほしいワード」のようなリクエストをする様子もあって、喜多日菜子と佐久間まゆそれぞれの要素が取り入れられていることがうかがえます。

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『ギュっとMilky Way』第5話「To unite our hearts」より。

歌詞に立ち返る

1番2番がめちゃめちゃまゆ日菜子だよねって話

実際に歌詞を見ると一目瞭然となので、まるっと引用します。

前からも 後ろからもギュっして


?を浮かべるよりも
♡を浮かべたいから
曖昧じゃなくて 素直な言葉で
キミの胸の愛を伝えて

憧れのデートプラン
今すぐ現実(ホント)にしよう
キミと2人ならどこまでも行ける
手と手つなぎながら

少しずつ編み上げてくように
運命の赤い糸が絆になるの

前からも 後ろからもギュっして
体中でキミの愛(ネツ)を感じたい
大スキと大スキがギュっとしたら
ギュっじゃ足りない 目を閉じるの
CHUっとしてほしいな 恋はロマンス

♪がはじけるように
☆たちが輝く夜
お姫さま抱っこしてくれませんか?
甘い夢を見せて

これからも2人は永遠と
信じてる 星座のように結ばれてるの

その胸で包み込んでギュっして
ときめいては溢れ出してMilky Way
大スキと大スキがギュっとしたら
キミの夢とひとつになる
未来もギュっとして 恋はファンタジー

(略)

イベント報酬テキストの割り当てや、これまでのセリフの特徴などに由来して、破線でピンク色は佐久間まゆに、二重線でオレンジ色は喜多日菜子にそれぞれなぞらえられていると読めそうではないでしょうか。M@STER VERSIONの譜割りとも、それなりに対応します。

どちらかに分類していない箇所にもわりあてていくことは可能かもしれませんし、異なる分類も可能でしょう。ここで重要なのは、イベコミュの流れ通りに、実際にドリームアウェイのふたりの要素が取り入れられていそうだ、という点なので、分け方に関する議論は控えておきます。

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[ギュっとMilky Way]喜多日菜子、特訓エピソードより。歌詞ネタなんだろうなあってイベントのときから思ってた。

最後の5行

さてCD発売当時、「ギュっとMilky Way」のフルを聞いたPたちは口々に「最後の5行」と発して沈黙していきました。この話題は2月27日放送の『もっと☆デレステNIGHT』でも言及されるなどしました。問題の歌詞を確認しましょう。

(略)

運命の人はきっと
キミだと信じてるから
頑張れるような気がするの
キミの夢が見たくて
キミと夢の先まで

ここまで喜多日菜子と佐久間まゆそれぞれの要素を拾って展開されてきた以上は、ここにもふたりの要素があるという前提に立つと、日菜子Pの視点ではひとつ大きな疑問が立ち上がります。

喜多日菜子にとっての「運命の人」、そして「キミ」とは、誰なんでしょうか?

それぞれの恋心と妄想

デレステで説明されている佐久間まゆの恋心

佐久間まゆの恋における「キミ」がプロデューサーであることは、メモリアルコミュの時点で疑いがないように思えます。

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佐久間まゆメモリアルコミュ1より。うーん押しかけ

そしてその恋をどういう形で叶えようとしているか、というのも、1枚目SSR[フィールマイハート]が真っ先に提示しています。4枚目SSR[想いプレゼント]も合わせて、プロデューサーが求めるようにアイドルとして輝いた果てに、素敵になった自分を受け取ってもらうという形を目指しています。

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[フィールマイハート]特訓エピソードより。

デレステで説明されている喜多日菜子の妄想

日菜子のメモリアルコミュを見ると、「運命の人」が彼女のいう「王子様」に一致することはすぐにわかりますが、具体的に誰なのかというのは見えてきません。それもそのはずで、日菜子は王子様に見つけてもらうためにアイドルになる道を選んだのでした。*1

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無印Rより。王子様はお姫様を迎えにくるから、日菜子はお姫様になりたい。お姫様にはなれなくても、お姫様みたいなアイドルにはなれる

「Trust me」でのふたりの交流

喜多日菜子にとって、そしてドリームアウェイにとって欠かせないのが、イベント「Trust me」での交流です。この時点のふたりはまだユニットとしての押し出しはありませんが、イベコミュ内では恋心と妄想の話を膨らませる様子が描かれました。

ここまでストレートに恋の話を楽しむまゆさんはなかなか見られないと、担当でなくとも思えるほどです。ここまで王子様の妄想について来られる相手というのも、日菜子にとっては珍しいでしょう。

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[Trust me]特訓エピソードより。これは編み物バトルをしています

「運命の人」と「アイドル」、どちらを選ぶか

「Trust me」イベコミュ第5話にて、喜多日菜子はある疑問に辿り着きます。もし王子様が見つかったら、日菜子はどうしたらいいんだろうか、アイドルを続けられるだろうか。運命の人とアイドル、どちらかを選ばなければならないとしたら、どうするか?

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『Trust me』第5話「Trust my Fancy!」より。喜多日菜子の戸惑い。

上述したように佐久間まゆは、この問いに答えを出しています。アイドルとして輝くことが、私の運命の人が喜ぶことだから。アイドルでいる限り、本当の意味で一緒にはなれないとしても、運命の人のそばにいることはできるから。

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『Trust me』第5話「Trust my Fancy!」より。佐久間まゆの答え。

この佐久間まゆの答えと、居合わせた鷹富士茄子の一押しにより、喜多日菜子もまた自分の答えにたどり着きます。

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『Trust me』第5話「Trust my Fancy!」より。鷹富士茄子の助言。

こうして喜多日菜子は、「運命の人=王子様」と「アイドル」を両立するにあたっての、確信を手にしたのです。

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『Trust me』第5話「Trust my Fancy!」より。喜多日菜子の答え。

ここで見つけた「キラキラしている自分の姿を見せる」というアプローチは、イベント「ギュっとMilky Way」でのふたりが見つけた、「恋をしているときの幸せな気持ち、妄想しているときのむふふな気持ちを届けたい」にも、通じているかもしれません。何かに夢中になって楽しそうな様子は、同じように応援したくなるものです。

日菜子にとってのプロデューサー

王子様とアイドルの話には答えを手にした喜多日菜子ですが、ではプロデューサーは日菜子の何なのでしょうか?

じつは日菜子にとってのプロデューサーがどんな存在かというのは明白で、[夢みるプリンセス]の段階から、もしかしてプロデューサーが王子様なのでは、王子様はプロデューサーみたいな人がいいな、と語られてきました。

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1枚目SSR[夢みるプリンセス]の親愛度演出。もしかしてPさんが? と思いつつも、このときは騎士になりました

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同ルームセリフ、王子様はプロデューサーみたいな人がいい、というくらいにはプロデューサーのことは気に入っている

[ギュっとMilky Way]のエピソードにおいても、少なくとも日菜子にとってプロデューサーは大切な人である、と改めて語られています。

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[ギュっとMilky Way]特訓エピソードより。喜多日菜子、サラっとこういう強いことを言いがち。

日菜子の王子様はプロデューサーなのか?

「ギュっとMilky Way」の発表前に追加された、シンデレラフェス限定SSRの[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子。その特訓エピソードは、この問いに最も踏み込むものになっています。

最終的な答えはいつかの未来に託されるのですが、[トゥルー・ドリーム]の特訓エピソードを見ると、「運命の人はきっと/キミだと信じてるから」と歌う日菜子が何を考えているかは、わざわざ説明する必要がなくなります*2

[トゥルー・ドリーム]のことは以前まとめたので、よければ参考にしてください。

berlysia.hatenablog.com

さて、ここまで辿ってやっと、喜多日菜子に「運命の人はきっと/キミだと信じてるから」と歌わせることができるのでした*3

ドリームアウェイの名に託されたもの

夢のように

ドリームアウェイというユニット名は、そのまま熟語 "dream away" として読むことができます。

dream away
夢のように過ごす
https://ejje.weblio.jp/content/dream+away

[Trust me]喜多日菜子のイラストやイベコミュ3話、はたまた営業コミュ等の空気を思い返すと、良い感じにふたりの様子を説明していそうです。

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営業コミュ首都エリア「デイドリーム・デートタイム」より。想像力、いえ、妄想力ですね

妄想も、秘めた恋も、いつか現実に

ここまで読んでいただいたあなたなら、喜多日菜子と佐久間まゆがそれぞれの形で「運命の人」と「アイドル」の関係を固め、アイドルとしての活動を大事にすると決めていることは、ひとまずご承知いただけるでしょう。するとこのふたりの共通点として、それぞれの恋心と妄想が成就する瞬間が、アイドルとしての人生の先、遥かな未来に置かれていることが挙げられます。

このことから筆者は、ドリームアウェイというユニット名に、 "A dream which is far away." という文を見出します。それぞれの恋心と妄想、あるいはアイドルとしての成功が叶う瞬間を夢とおくなら、その夢は未だ遥か遠くにあり、そしていつかきっと叶えたいもの、だと言えるからです。

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「ギュっとMilky Way」イベコミュエンディングより。日菜子はただならぬ気と言われたりもしている。

ドリームアウェイの名はもしかすると、夢見心地でふわふわとしてかわいらしい様子だけでなく、こうした想いに支えられた強い意志にも通じているのです。

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デレステ3周年キャンペーン返信画像より。

おわりに

ドリームアウェイというユニットとして、それぞれの抱える特別強い想いと、それをユニットとしてどう見せていくかという問題に答えたひとつの形として、「ギュっとMilky Way」という曲にたどりついたことを確認しました。

喜多日菜子は、ドリームアウェイでの活動、佐久間まゆとの交流を経て大きく前進しました。今後の彼女のアイドルとしての活動を支える、大事なことを獲得したのだと確認しました。

ドリームアウェイというユニットの名には、もしかするとふたりの想いの強さもまた、織り込まれているのかもしれないよ、という話をしました。

今後のふたりのさらなる活躍に、期待がかかります。


そんな喜多日菜子ですが、ソロ曲「世界滅亡 or KISS」ではとうとう、「私が決めたんだからあなたこそ運命」と言いはじめました。

喜多日菜子という愛と勇気のプリンセスの歩みは、留まるところを知りません。

berlysia.hatenablog.com

*1:デレステでの展開だけに絞ると、断定できる要素が小出しにされているのです

*2:というよりは、ここまでやらないと日菜子Pたちを納得させることができない、と思われているのでしょう

*3:我ながら日菜子Pってめんどくさいですね!

ある喜多日菜子Pが見た『世界滅亡 or KISS』ファーストインプレッション

まえがき

追記: Happy New Yell day1で初披露されました!!!!! 喜多日菜子役の深川芹亜さん、関わったすべての方々に最上級の感謝を!!!!!

この記事は喜多日菜子のソロ曲『世界滅亡 or KISS』に関する、ある日菜子Pの受け取りを記録したものです。あまりにも、あまりにも、喜多日菜子でした。

『世界滅亡 or KISS』を聞いて喜多日菜子が気になったあなたには、前提とする喜多日菜子の知識が伝わるように。すでに日菜子Pのあなたにも、どんな解釈を前提にしているかがわかるように、丁寧に書いたつもりです。

どうしても日菜子の核心に触れがちなので、様々なネタバレがあることをご勘弁ください。ということで、

⚠️この記事は、喜多日菜子のこれまでに公開されたコミュ全てのネタバレを含む可能性があります。⚠️

まだフルを聞いていない方は是非聞いてください。『世界滅亡 or KISS』が収録された『Sing the Prologue♪』は日本コロムビアから好評発売中です。

アイドルマスター|THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS LITTLE STARS EXTRA! Sing the Prologue♪

配信版もあります。いますぐ買って聞いてからこの先に進んでください。

世界滅亡 or KISS | THE IDOLM@STER STARLIGHT STAGE -MUSIC INFORMATION SITE- | 日本コロムビア


事前知識

喜多日菜子とは

喜多日菜子は妄想が趣味の15歳です。童話をはじめとする多様な物語に触れて育ち、たくさんの人に愛され、素敵な王子様が迎えにきてくれるようなお姫様になりたいと願って、日々努力を重ねています。

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[夢みるプリンセス]喜多日菜子

日菜子と妄想

日菜子の妄想に関する話題は頻繁に取り上げられています。これまでの例示からいくらか特徴を挙げると、「急展開」「ピンチが訪れる」「王子様のような役どころの人物が登場する」あたりは定番のようです。

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シンデレラガールズ劇場わいど158話より

日菜子は夢の中でも普段から妄想をしていて、眠る前にひと妄想した上で、目覚めてからは夢を振り返ってその展開を吟味しています。

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シンデレラガールズ劇場第1315話「ドキュメンタリー風に」より
日菜子は妄想でPDCAを回している。毎晩なので高速。

妄想は日菜子にとって重要な一要素ではありますが、妄想にのめり込むばかりでない点もまた、喜多日菜子を強く特徴づけています。地に足のついた夢想家という表現がふさわしいでしょう。

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シンデレラガールズ劇場第1142話「妄想でも現実でも!」より
「妄想のプロ」はここが初出。

日菜子とアイドル活動

メモリアルコミュに描かれるように、日菜子は王子様に見つけてもらうことを夢みてアイドルになりました。ステージやテレビで活躍すれば、王子様はきっと日菜子を見つけてくれると考えたからです。

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喜多日菜子メモリアルコミュ1より
アイドルになって有名になれるかどうかは君次第。

日菜子と『王子様』

喜多日菜子が『王子様』という言葉をつかうとき、大きくはふたつ、白馬の王子様に代表されるステレオタイプな王子様と、いつか自分が出会うべき運命の人としての王子様に意味が分かれます。後者を指して「白馬の王子様」という表現が使われることがありますが、形から入るのも立派な妄想のアプローチです。

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デレステ無印R喜多日菜子ルームセリフより。
カボチャパンツを履かせようとするな。

『王子様』とアイドル活動

日菜子はあるときまで、王子様に見つけてもらうことをアイドルの目的とし続けていました。Trust meイベントコミュに描かれるように、現在ではアイドルとしての活動それ自体を楽しんでいるという自覚を持っていて、王子様もその姿をきっと求めてくれると信じています。

アイドルになりたい、が軸ではなく、

アイドルになって王子様に出会いたい

が先にあり、

アイドルとしてこんな姿を見せていきたい

を獲得して、

アイドルであり続けたい

に到達したのが、喜多日菜子なのです。

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Trust meイベントコミュ第5話「Trust my Fancy!」より。
日菜子の妄想を指すときはFancyが使われがちです。

日菜子とプロデューサーの関係

これまで日菜子の妄想のなかに様々な役柄で登場してきたプロデューサーですが、定番の立ち位置は「王子様」と、次点が「魔法使い」です。

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[夢みるプリンセス]親愛度MAXセリフ、[ファンシーポリス]親愛度MAXセリフより。
騎士とか相棒とか。

特異点[見果てぬ夢]

喜多日菜子のCV初披露となった[見果てぬ夢]の思い出エピソード後編では、「プロデューサーさんは、日菜子の運命の人(〜)王子様なんです」、との直截な表現が登場し、当時物議を醸しました。妄想子芝居の延長と読めなくもない点や、カードテキスト側での言及がない点、後の再登場時の展開を踏まえても、プロデューサーが運命の人としての王子様その人であるとは、依然として断定できない状況にある……とするのが穏当だとされています[要出典、独自研究]。

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[見果てぬ夢]思い出エピソード後編より。
このコミュについては別にひとつ記事を要するが、この曲によっていくらかの可能性を見出すことができたので、議論の発展を期待している

日菜子はプロデューサーをどう思っているのか

日菜子の側からの思わせぶりな表現は多いものの、プロデューサーさんが王子様ですという確定的な表現は上述の1例のみに留まっています。

近年の傾向としては、日菜子の妄想に頻繁に王子様役で登場する、王子様をイメージしていたらプロデューサーに到達してしまうなどの表現に落ち着いて、かっこいい、やさしい、頼りになる、愛情を感じる、日菜子の妄想についてこられる唯一の人、日菜子の王子様に限りなく近い人、などの表現が伴うようになっています。

ざっくりと、そんなプロデューサーのような人が(運命の人としての)王子様だったらいいな、くらいには思っていると言えましょう*1

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[妄想お姫様]特訓後ルームセリフより。スーツを着た王子様もアリとのこと

[トゥルー・ドリーム]に描かれるように、「プロデューサーは日菜子の何なのか」という問いの答えは、時が来るまで求めないことになっています。

詳細はぜひフェス限日菜子こと、[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子の特訓エピソードをご覧ください。デレステ5周年が近いので、限定入りセレチケの候補にぜひどうぞ。もうすぐ実装から丸1年になります。

[トゥルー・ドリーム]については、思わせぶりな記事の用意があります(末尾の関連リンクからもご覧いただけます)。

berlysia.hatenablog.com

『世界滅亡 or KISS』

考察に備えた認識の共有のために、この記事で前提とする『世界滅亡 or KISS』の章分けを確認していきます。

もちろん、ここで示す章分けは筆者の解釈のうち、この解説に都合のよい一パターンであることをご承知おきください*2

プロローグ:この中に王子様はいませんか!?

冒頭から、「王子様探しの日々が始まったのです!!」まで。

強引な展開は妄想少女の特権です。悪い魔女にかけられた呪いで世界は滅亡する運命になりましたが、良い魔法使いさんの計らいによって、運命の王子様との愛のキスによって呪いを解くことを目指し始めます。

悪い魔女の呪いは一旦置くとして、魔法使いの魔法が呪いを弱めて能動的な王子様探しが始まる点は、日菜子がプロデューサーに路上でスカウトされたシーンを想起させられます。

ここで「私」と日菜子の間に共通するのは、王子様を自分で探しに行くことを誰かに示されたわけではなく、自分でその選択をしていること、当人はきっかけを与えられたに過ぎないということです。

第一章:私の王子様? なんて聞けない

「クラスメイトのあの子かもだけど」から「こうして私の旅は続いていく……!」まで。

どこにでもいる普通の女の子なので、王子様を手近なところから探し始めます。王子様はどこにいるかわかりませんからね。

とりあえず学校に行ったのでしょうか、クラスメイト、先輩、先生、まさか直接聞いていくわけにもいかず、全然手掛かりは得られません。普通の女の子であるところの当人は『渾身のキス待ち顔』で、王子様に見つけてもらうための準備だけは、ばっちりのつもりです。

『見つけて!/早く 私を/白馬の王子様/じゃなきゃ/世界が終わるの/恋する前に』とあるように、この「私」はどうやら、世界が終わるよりも王子様に出会えないことの方が問題のようです。

第二章:どこですか? 私の王子様!

「この広い空の下のどこですか?」から「ピンチ!」まで。

青い空に真っ白な雲のシーン。魔法使いさんの助言をうけて、どこにいるかわからない王子様を探しに、女の子は冒険の旅に出かけました。

運命の王子様を見つけ出すためなら「炎の山」も「氷の谷」も越えようという姿は、日菜子本人にも通じています。

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[見果てぬ夢]アイドルコメント、ギュっとMilky WayイベコミュOPより

第三章:全部叶えて王子様

「紅 染まる 夕暮れ」から「それでも走って、走って、走り続けた。」まで。

夕暮れのシーン。運命の王子様に対する「私」の要求がワガママでかわいいですね。

優しさだけでなく刺激やヤケドしちゃいそうな恋にも夢みるのは、直近の日菜子を思い返します。

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[どうぞ、お手を…]特訓後マイスタジオセリフより。する。

第四章:助けてくれたのは王子様じゃなく

「けれど、煙の檻に囚われてしまった私の意識は」から「えへへ……♪」まで。

熱い古戦場跡から、月がきらめく夜のシーン。

いつもの日菜子の妄想なら助けてくれるのは王子様ですが、今回は魔法使いさんでした。

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[ギュっとMilky Way]特訓後ホーム画面セリフより。
お月様と言えば。

第五章:王子様を見つけることはできなかったのです

「そうこうしているうちに」から「私は、あることを決意した——」まで。

月の光も失われたシーン。長い旅路の果てに、運命の王子様はついに見つからないまま、運命の日が訪れます。

魔女の役さえ日菜子のセリフとして表現される点は、メモリアルコミュ2のやり取りを思い返します。

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喜多日菜子メモリアルコミュ2より。
最近の日菜子はイケボもやります。王子様にこだわりのある人間が王子様をやったらどうなるか、TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!のイベコミュを見ましょう。

第六章:私が決めたんだからあなたこそ運命

「『運命の王子様』はどこにもいなかった。」から「私の王子様 魔法をかけて」まで。

私の王子様は魔法使いさんあなたですとまで言い切っておいて、「私の王子様/魔法をかけて」と最後の踏み込みを委ねているあたり、この子はやっぱり王子様を待っているのだと言えましょう。魔法って何なんでしょうね。*3

エピローグ:いつか未来に、王子様とのハッピーエンドを

「目を開けると、」から終わりまで。

いつもとかわらない朝のシーン。「見慣れた天井、大好きな色のカーテン。」というフレーズには、「私」の日常が幸せに満ちていることを察します。

夢だったのか現実だったのか曖昧な気持ちになるほど、「私」にとっても真に迫るものだったのでしょうか。日菜子の日常であれば、妄想の振り返りをするようなタイミングですね*4

いつもと変わらない朝。けれど「私」の足取りは、きっといつもより軽いに違いありません。

考察、あるいは妄想を伴う解釈

「私」の夢

日菜子が運命の王子様に憧れている点は確認しましたが、「私」自身も運命の王子様に憧れている節は、第一章の恋する前に世界が終わってしまうくだりをはじめ、各章に散りばめられています。

「私」も日菜子と同様に、白馬に乗った王子様が迎えに来てくれること、運命の王子様と出会うことが憧れであったと言えましょう。*5

「悪い魔女」がもたらす終末

いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる、という甘い夢からは、本当に王子様が迎えに来ない限り、いつかは醒めることになります。端的に言えばその夢を手放さざるを得ない何かであったり、諦めてしまったり、可能性を託す未来がなくなるようなシチュエーションです。

「悪い魔女」がもたらす終末は、「私」にいずれ訪れるであろう、「運命の王子様がいつか見つけてくれる」という夢の世界の終わり、夢を見続けられなくなる瞬間を表しています。世界の滅亡というのは、可能性を託す未来がなくなることの最たるものと言えましょう*6

日菜子にとってみても、プロデューサーと出会ってアイドルになり、備えて待つだけの妄想が、叶えられる・叶えたい夢に変わった今でもなお、そのタイムリミットは刻一刻と迫っています。

「良い魔法使い」が示した選択肢

プロローグで確認したように、理不尽にも告げられる夢の世界が終わる未来に対して、ドロンと登場した魔法使いが提示するのは、「運命の王子様と出会い、愛のキスをすること」。ここから「私」は「運命の王子様を探し出す、見つけてもらいに行く」ことを決意します。

「私」と「良い魔法使い」がたどりつく結末

白馬の王子様が迎えに来てくれるという夢が破綻する条件は、もうひとつあります

それは、世界のどこにも王子様がいないと確認してしまうことです。

魔法使いさんの提示した選択肢と「私」の熱い想いによって、この世界は端から探しつくされてしまいました。王子様がどこにも待っていないことを、その身で証明してしまったのです。どうしましょう?

「私」の決意

第六章、タイムリミットが迫るなか、求め続けた運命の人はどこにもいませんでした。

でもここまでずっと一緒にいてくれて、見守ってくれて助けてくれて、長く一緒に歩んできてくれたひとが、ここにひとりいます。これまでに見てきた人たちは王子様ではなくて、世界の命運を握っているのは私と魔法使いさん、とうとう世界にふたりきり。

これは『究極の妄想』です。世界に私と魔法使いさんのふたりしかいないなら、王子様は魔法使いさんで、迷う余地はないのです。

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アイドルプロデュース 夜空に咲く花火編 日菜子をプロデュース エンドレスプロデュースより。
もうすぐモバマスで復刻しそうなので、備えておいてくださいね

『私が決めたんだから あなたこそ運命』

もしこれで本当は違っていたとしても、運命の王子様など本当にいなかったとしても。何も選ばなければ恋する前に世界は滅びます

魔法使いさんを選んで仮に世界が滅んだとしても、一緒に歩んできたこの魔法使いさんとならそれでも構わないと、「私」には思えたのです。*7

「私」の運命、日菜子の運命

日菜子が辿り着くひとつの可能性

アイドルとして活躍することで王子様に見つけてもらうことを目指している日菜子ですが、そんな日菜子が全世界の人間に知られるような存在になったら、それでも王子様が見つからなかったら。「私」と「良い魔法使い」が辿り着いてしまった結果に、日菜子とプロデューサーも辿り着くことになります。

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[お菓子なドリーミング]特訓後ホーム画面セリフより

もしそんな未来が来て、ずっとプロデューサーが支えていてくれたなら、そのときは日菜子も、「私」と同じ選択をするかもしれません。『世界滅亡 or KISS』が提示する、ひとつの可能性と言えましょう。

見果てぬ日菜子の王子様

表現を変えて繰り返しますが、「私」が夢の中で魔法使いさんこそが私の王子様だと決めても、日菜子が王子様はプロデューサーだと決めたわけではありません*8

そうだと日菜子が決めたとしても、プロデューサーがどのような態度を見せるかは、依然プロデューサー自身の手に委ねられています。

[トゥルー・ドリーム]の問いとプロデューサーの答えがあの鐘の音の向こうに封じられているように、日菜子の出す答えもまた、夢と妄想と未来の中に託されているのです。

あとがき

『世界滅亡 or KISS』は、喜多日菜子が辿り着きうるひとつの未来を描いた、ファンタジックプリンセスストーリーでした。
あなたは日菜子にどんな未来が訪れることを願いますか?
プロデューサーであるあなたと日菜子は、どんな関係でありたいですか?

曲自体や話の流れの都合で書かなかったこともありますが、長くなりすぎても大変ですし、これはあくまでファーストインプレッションということにして、今後の読み解きの発展に託します。もしかしたらまた、とんでもないことを日菜子が言い出すかもしれませんし。

日菜子がこれからも夢を見続けられますように。
そしていつか未来に、日菜子にハッピーエンドを。
日菜子の妄想に、日菜子が歩む物語に、終わりはありません。

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[見果てぬ夢]マイスタジオセリフより

関連リンク

berlysia.hatenablog.com

berlysia.hatenablog.com

seesaawiki.jp

曲調が様々変化することから、オーディオ界隈でも話題になっているようです。

togetter.com

seesaawiki.jp dic.nicovideo.jp dic.pixiv.net

*1:トゥルー・ドリームの特訓コミュの締めはだいたいこの趣旨と言えましょう。冷静に考えてPのことめちゃくちゃ好きじゃねーかとは思うけど、恋心は王子様にしか向いていないのでPラブではない(断言)。

*2:6章構成や曲としての流れを考慮しており、あまり極端な反発は想像しない。一部にマジカルエクストラタイム等の言及とのズレは認められるが、そこまでこだわりをもって反映することはこの読み取りの内容に影響しない

*3:𝓚𝓘𝓢𝓢に決まってんだろ!!!!

*4:この言葉を現実に持ち帰った日菜子に、掴めぬ未来などないでしょう

*5:こんな確認するまでもなく「私」=日菜子やろがいとは思いつつ、念のため示しておくのは大事

*6:当人の死などではなく世界の滅亡に行くあたり、セカイ系的な読みはできそうです

*7:あの「えへへ……♪」を聞いてそう思えないとは言わせません。

*8:「私」と日菜子を分けたり意図的に分けなかったりして書いていますが、実際のところはほぼ同一視していますし、どちらでもこの読み取りに影響はないはずです。モチーフはどうあれ妄想の中の登場人物なので。

萩原雪歩と喜多日菜子を並べてみよう

この記事は喜多日菜子アドベントカレンダーの24日目だ。

adventar.org

まえがき

筆者は今イベント「‪ギュっとMilky Way‬」を走っている。念願の日菜子の新曲であり、念願の日菜子のユニット展開であり、そのユニットがドリームアウェイであったことは、日菜子にとっても良い経験になると信じている。

さて、予告では「日菜子P、雪歩P多い説」という題だったが、上述のイベント開催に伴ってあまり調査や思索の時間を取れそうにない状況となってしまった。このような仮説を立てるほどには、目に留まる日菜子Pの765ASでの担当が萩原雪歩であることが多い印象があることは、ここで強調しておく。

本題に入る前に筆者の現在のスタンスを説明しておくと、喜多日菜子Pであり、高山紗代子Pであり、元・萩原雪歩Pという自己認識をしている。プラチナスターズ・ステラステージの雪歩についてはまだ知識を持たない*1

ところでミリシタの限定雪歩は無事に引けている。

最初期のPaPと喜多日菜子の関係

アイマス2アニマスを経験した雪歩Pであって、モバマスを早い時期からプレイしている場合、雪歩がいるPa属性のアカウントを運用するのはもっともらしい流れと言って過言でないだろう。

Pa属性における最初期の重要カードといえば、[妄想お姫様]喜多日菜子だ。いわゆる完走枠でありながら単色攻片面特大という当時では破格の性能を誇り、微課金程度でも十分フロントに入ったという記述が見つかる。

33 ななしのよっしん 2012/07/02(月) 04:09:18 ID: OR57pxCAHI
>>31
上位報酬抜きでパッションのベストメンバー(数値だけじゃなくて特技込み)を組むと課金組でも日菜子が入ることになる

リーダー:コンプ美希
その他:SR伊織、SR真美、SR日菜子、姉御肌拓海or浴衣浜川

この辺が現実的なメンバー
当然、美希、伊織、真美はある程度課金しているかトレードを駆使していないと手に入らないので無課金どころか微課金組でも日菜子が余裕でリーダーを張ってる人が多い
ニコニコ大百科: 「喜多日菜子」について語るスレ レス番33

こうした巡りあわせから、雪歩Pが日菜子のお世話になるという流れは、そこまで珍しいものではなかったと考えられる。

類似するところ

容姿

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髪色と髪の長さは多少話題にのぼるところだが、そうした外観よりも手の仕草に注目してほしい。ふたりともそれぞれに特徴のある仕草を持つが、手を顔の近くに置いていることが多い点は共通項として挙げておこう。

語尾

「〜ですぅ」「〜ですよぉ」のように、テキスト表記した際、語尾に小文字の母音がつく傾向が共通している。普段は少し間延びした喋りをするが、集中していたり気合が入っているときははっきり喋るようなところも、似ていると言えよう。

想像力

妄想癖に関しては日菜子は言うまでもないが、雪歩もその面は十分に持っている。顕著な部分はこのあたりだろう:

  • 真を様々なシチュエーションにあわせて着せ替える(アニマス
  • 貴音に対して変な方向に想像が飛ぶ(MASTER SPECIAL 04)*2

765プロにおける妄想といえば音無小鳥という印象もあるかもしれないが、その音無小鳥が素質を感じて引きずり込もうとしたのも萩原雪歩だったことは忘れてはいけない。

雪歩が趣味とするポエム・詩もこの項目に挙がるだろう。雪歩のポエムは作品によってクオリティや傾向にばらつきがあり一概に説明はできないが、雪歩の観察力や想像力に特徴があることには間違いない。

日菜子も日々の妄想を妄想日記という形にまとめている。歌を歌えば3番までの曲の4番を熱唱したり歌詞を100番まで増やしてしまったりと、その想像力……妄想力はただならぬ瞬発力を備えている。

それぞれのありかた

雪歩

雪歩は内気で悲観的で心配性なところがある。そんな雪歩がアイドルになったのは、友達に勝手に履歴書を出された結果だ。アイドルとしての活動を通じて、そんな臆病な自分を変えたいと思っている。

基本的には考えすぎるタイプであり、その方向がネガティブに偏っているので前述のようになる。ポジティブな方向に誘導されると、情熱的なまでの姿勢で物事に向き合うことができる*3。実は「気合」のような言葉を好んで使うことからも、秘めた熱さを持っていることがうかがえる。

ミリシタでは加えて、これまでの経験が雪歩を支えているように描かれる。未だに雪歩自身にも不安は湧き起こってくるものの、かつての自分が抱えた不安をきっと新人たちも抱えるだろうという想像から、それに寄り添い助けようと自らを鼓舞する様子が描かれている。

弱気にならない自分に変わりたいと思っている雪歩だが、シナリオ上のオチの付け方としてはそうならない。雪歩がこれまでに歩んできた一歩一歩が少しだけ雪歩の自信や力になっていて、多少弱気になることもあるけど、持ち前の想像力と優しさ、熱さに由来する「私はこうしたい」を貫けるアイドルになっている。そして雪歩の周りには、そうして一歩ずつ歩んできた雪歩と一緒にステージを作る仲間がいる……というまとめ方をされる。

日菜子

雪歩の後に並べると、日菜子はかなり楽観的かつ前向きだ。夢は信じ続ければ叶うと信じている。アイドルになった経緯も、王子様に迎えに来てもらえるお姫様になりたいという夢が叶えられると思ったから、スカウトに即答したという流れだ。

妄想のプロと称されるだけあって、その想像力と瞬発力には目を見張るものがある。日菜子にとっての妄想は素敵なことを考えて楽しむことという面があり、しばしば妄想に夢中になるあまり戻ってこられなくなる。デレステのメモリアルコミュでは、妄想のあまりアイドルとしての仕事に支障が出た経験から、妄想のコントロールを身につけようとする様子が描かれる。

日菜子がなりたいお姫様像は、王子様とみんなに愛されるお姫様だ。アイドルとしてステージに立てば、どこかにいるかもしれない王子様はもちろん、すべての観客を夢見心地にさせる。他者にも自分が妄想で感じているようなむふふな気持ちになってもらいたいという観点で、「夢中になれなかったらそれは夢じゃないですよね」「真剣になれない妄想には意味がないですから」など、かなりストイックな面を見せる。

王子様といえば日菜子、妄想といえば日菜子という認識を他のアイドルからもうけており、ミッションを与えれば持ち前の妄想力と行動力で場をドライブするなど、着実に周囲からの信頼を積み重ねている。

おわりに

日菜子と雪歩の共通項をあえてひとつにしぼるなら、「突出した想像力(妄想力)」とまとめよう。当初は二人とも想像力の行き過ぎによって問題を起こす。雪歩は発想の転換や経験からくる視点の変化によって、日菜子は目標の確認と過去の経験を踏まえた視点の変化によって、その想像力は強い武器となる。

ふたりの比較をうけて新たに今後の日菜子に求めたいのは、ほかのアイドルとの関係が広がっていくことだ。雪歩は持ち前の優しさもあり、ミリシタの事情も手伝って、周囲に慕われ頼られるお姉さんとしての側面を得た。日菜子も比較的年下アイドル達との付き合いは多く、想像力豊かでたまに妙なことをするお姉さんというイメージは語られている。

年下だけでなく同世代や年上たちとの関わりについても少しずつ語られるようになり、タイミングのいいことにドリームアウェイとしての活動が描かれたのが直近の話題だ。詳細には触れないが、日菜子の持つ想像力と行動力、屈託のなさや時折見せる真剣さは、ほかのアイドルに強い影響を与え、日菜子もまた何かを受け取るだろう。雪歩にもそういう相手はいた。

さて今日は雪歩の誕生日だ。ミリシタの誕生日ページを訪れるのを忘れないように。

関連リンク

喜多日菜子アドベントカレンダー2019にはこれまでにも2件を投稿している。デレステ世界の喜多日菜子のあゆみと、直近の喜多日菜子の到達点を確認する記事のつもりなので、よければご覧いただきたい。

berlysia.hatenablog.com

berlysia.hatenablog.com

*1:この記事を書くにあたってステラステージをやるべきと買ってあるのだが、前述の理由でその余裕が吹き飛んでしまった

*2:参考: 【販促動画】MASTER SPECIAL 04 百合トーク(試聴版) - ニコニコ動画

*3:振り切ったときにはネガティブ方面にも勢いがあることは言わないでおこう

喜多日菜子のメモリアルコミュを振り返る

この記事は 喜多日菜子 Advent Calendar 2019 の 14 日目だ。内容は予告から変更した。

adventar.org

まえがき

この記事では、これまでに描かれてきた喜多日菜子というアイドルを、デレステのメモリアルコミュを通して振り返る。

喜多日菜子というアイドルについて、モバマスデレステでの解離が大きいという声があるが、それはある種仕方のないことだと言える。デレステでの各アイドルは、様々に散らされた特徴やエピソードをあつめ、そのアイドルを再構成するような試みが行われており、その最たるところがメモリアルコミュにある。

メモリアルコミュなしにデレステにおけるそのアイドルを十全に受け取ることは難しい。実際にここで確認するのは、喜多日菜子というアイドルがメモリアルコミュのなかでどのように整理されたかだ。

この記事を通して、これまでに触れてきた喜多日菜子の各カードのコミュや、イベント内での活躍に、あなたの関心が繋がることを祈っている。

メモリアルコミュでの描かれ方

デレステのメモリアルコミュは、シンデレラガールズというタイトルにおいて、一番簡単にそのアイドルのことをまとまった形で知れるコミュだ*1。メモリアルコミュの各話で語られる内容は、大枠として次のようにまとめられる:

  1. プロデューサーとアイドルの出会い
  2. 初めてのレッスン
  3. 宣材写真撮影
  4. お仕事の一幕
  5. プロデューサーとアイドルのこれから

プロデューサーとアイドルという関係になってからの軌跡をたどりながら、そのアイドルの性質・変化を一続きに描く、重要な資料だ。

2019 年末現在、喜多日菜子にはメモリアルコミュ 4 までが公開されている。

メモリアルコミュ 1

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きっとあれは運命だった、といつかあなたも思い返す

喜多日菜子は街中でスカウトされてアイドルの道を踏み出すことを決めた。コミュの中でほぼプロデューサーは押し負けている。日菜子の話ぶりは、まだ妄想が暴走気味で正確な読み取りが難しいが、この内容をよく補完しているRの特訓エピソードと合わせて次のように流れをまとめる。

  • 日菜子は王子様に迎えにきてもらいたいと思ってきた
  • 王子様が迎えにきてくれるのはお姫様だから、お姫様になりたいと思ってきた
  • アイドルとして有名になれば、王子様にも見つけてもらえるはず
  • アイドルは本物のお姫様ではないけど、お姫様みたいなアイドルにはなれるはず

日菜子がスカウトに即答できたのは、自分の夢と向き合い続けてきたからだ。王子様に迎えにきてもらいたい、王子様が迎えにきてくれるようなお姫様になりたいと願ってきた。でも本物のお姫様にはなれないとわかっていた。ではお姫様みたいになるにはどうなったらいいだろう、と考えてきたのかもしれない。

何にせよあなたにスカウトされて、アイドルになりませんかと言われたときに、これがお姫様に近づく方法なのだと気づけた。だから、日菜子は夢のために最初の一歩を踏み出すことができたのだ。

メモリアルコミュ 2

日菜子の初めてのレッスンはヴィジュアルレッスン、つまりお芝居だ。「どんな役だって演じられないといけない」という日菜子に出されたお題は「イジワルなお姉さん」や「王子様」だった。

喜多日菜子はふたたび試される。自分の夢のために、自分のイメージに合わない、自分がやるべきでないと感じる役でも演じられるか。日菜子はただのYESにとどまらず、一歩踏み込んでこの試しに応えた。こうした役を受け入れるだけでなく、自分のものにしていく姿勢を示した。

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夢見る「だけ」の妄想少女ではいられないと、日菜子は示してみせた

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この後に選択肢は出ないが、あなたならどう声をかけるだろう?

メモリアルコミュ 3

宣材写真の撮影をする回。前回からの流れもあってか、日菜子のやる気はさらに高まっている。キメ顔の練習をしてきて、イメージトレーニングもバッチリだ。

しかし撮影冒頭から妄想に耽ってしまい、せっかく練習してきたキメ顔は出番がないまま終わる。プロデューサーが日菜子に差し出した写真は「むふふ顔」だったのだろう。日菜子は、せっかく準備してきたことが発揮できなかったこと、もし素敵な現実が目の前にあっても見逃してしまうかもしれないことを危惧して、「妄想こんとろーる」を課題だと認識する。

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日菜子にとっての妄想は、素敵で楽しいから夢中になるもので、逃げ場ではない。

日菜子がなぜプロデューサーを妄想の相手にするかも、このコミュの中に語られている。プロデューサーの「これ(むふふ顔)も可愛いよ」「もっといろんな顔も見たい」という言葉に特異な反応を示した部分がそれだ。メモリアルコミュでの日菜子はここまで明示的にはプロデューサーを妄想のネタにしてこなかったが、妄想中でもプロデューサーの声は聞こえることに気づいた日菜子は、仕事中にはプロデューサーのことを考えるようになる。

ここから妄想の中での王子様役になっていく様子は、レアや妄想お姫様のテキストに見ることができる。

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デレステにおける「日菜子わーるど*2」の起こりはここにあるかもしれない

メモリアルコミュ 4

子供相手の朗読会のお仕事の一幕。朗読するのは『シンデレラ』だ*3

午前の部は滑り出しはよかったが、うっかり妄想があふれだしてしまい失敗。妄想こんとろーるはもとより、子供達にも申し訳ないと、午後の部に意気込む日菜子。

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失敗の様子。この後どうやってまとめたんだ……?

午後の部の日菜子は妄想こんとろーるもばっちり、子供達の疑問にも当意即妙に答え、日菜子と子供達共々、楽しい時間を過ごせたようだ。

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妄想の成果が出る即答。夢みるプリンセスの衣装はこの表現に近いかもしれない

イベント終わりの日菜子は、これまで自分が物語に夢中になれていたのは、夢中にさせてくれる人がいたからだった、という気づきを語る。午後の部では子供達を楽しませようと夢中になった結果、子供達も楽しんでくれたこと、自分も楽しめたことを挙げて、現実の素敵なことを見逃さずにいられたことを喜ぶ。

アイドルとしてプロローグの終わりにふさわしいコミュといえる。

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このコミュで語られたのは、モバマスでもデレステの各SSRでも語られてきている、ファンをはじめとするみんなに楽しんでもらいたい、夢中になってもらいたいという思いの原体験だ。

おわりに

デレステの喜多日菜子のメモリアルコミュでは、これまでモバマス時代から通してばらばらと語られてきた要素やその原点を整理し、どのようにして喜多日菜子がアイドルとしてのスタートを切ったかがまとめられていた。

各カードのコミュやイベントコミュにおける日菜子の行動や成長は、この内容を知っておくことでより鮮やかに輝いて見える。この記事の内容をうけて、あるいはご自身でメモリアルコミュを見返したのちに、各カードのコミュやイベントコミュを見返すと、新たな発見があるかもしれない。

先日このアドベントカレンダー内でトゥルー・ドリームについてもまとめた。プロローグを終え、その後に日菜子が歩んだ道のひとつの大きなチェックポイントだ。 berlysia.hatenablog.com

あなたの中の喜多日菜子像が、少しでもはっきりすることに繋がることがあれば、私は嬉しい。

*1:メモリアルコミュ以前で近いレベルの情報を得るには、どのアイドルでも見られる前提をおくとモバゲー版のぷちコミュを見る必要があった。

*2:モバマスでは「日菜子ワールド」、デレステでは「日菜子わーるど」表記で統一されている

*3:モバマスの無印Rでは、アイドルから連想するのはシンデレラだった。デレステではドレスを経由してお姫様に連想するよう変更されている

[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子を振り返る

この記事は 喜多日菜子 Advent Calendar 2019 の5日目の記事である。

adventar.org

まえがき

この記事では、いわゆるフェス限SSRの[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子について、筆者の妄想力と若干の与太を込めて振り返る。平たくいうとこれは怪文書だ。

日菜子P諸兄においては、ご自身の妄想や解釈と通じるところ、こんな読み方もできるという話題があれば、ぜひ世に放ってほしい。ほかでもないあなたが発信することが、日菜子の実在性を高めることに繋がるからだ。

まだ日菜子をよく知らないという方においては、この記事がわずかにでも、あなたの中の喜多日菜子像を大きくすることに繋がることを祈っている。いずれかの一節でもあなたの心に留まれば幸いだ。

喜多日菜子とは

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メモリアルコミュ1、スカウト時の一幕。
アイドル→ドレス→お姫様の流れるような連想。

喜多日菜子は妄想が趣味のアイドルだ。童話をはじめとする多様な物語に触れて育ち、たくさんの人に愛され、素敵な王子様が迎えにきてくれるようなお姫様になりたいと願って、日々努力を重ねている。

[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子とは

ゲーム外の視点

アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(通称デレステ)内に登場する、最高レアリティSSRのカードのひとつ。そのSSRのなかでも一際入手機会が限られ、ゲーム的に強力な性能を与えられる傾向のある、シンデレラフェス限定……いわゆる『フェス限』にあたる。

喜多日菜子がフェス限SSRとして登場したことは様々な驚きと、様々な期待を呼び起こした。この記事では本筋でないので省略するが、喜多日菜子というアイドルは、大きな変化を伴って登場することがしばしばある。*1

登場時の公式アカウントからのツイート。
MVのスクショは「イリュージョニスタ!」の右から2番目配置、
撮影ポイントは『泡沫の煌き』が近いか。

コミュ・セリフでの描かれ方

特訓前ではベルギーの街を歩き、特訓後ではデンマークにある噴水広場で撮影する様子が描かれている。この噴水はチボリ公園にあるものと非常によく似ており、モデルになっているという見方が強い。ベルギーの街並みの方は具体的な場所と照らし合わされてはいないが、ブルッヘがモデルではないかと言われている。

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子のプロフィールセリフ。
楽しそうな日菜子も可愛いよ。

喜多日菜子の表現としては初めて、特訓前後でどちらも困り眉になっていない。コミュ・セリフの内容としても、事務所に帰ってきた後のシチュエーションとみられるルームセリフ以外では、妄想すること自体に言及する場合を除いて一切「むふふ」と発しない。つまり、[トゥルー・ドリーム]における喜多日菜子は、妄想をしないのだ。

困り眉で描かれず、妄想にふける様子もないとはいえ、喜多日菜子が妄想と切り離されたわけではない。特訓前に描かれるのは妄想にまつわるたしかな日菜子の成長だ。特訓後に描かれるのは、妄想のプロとしての在り様の一側面だ。

特訓前:現実を見逃さない日菜子の成長

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子
とっておきのときに被ろうと思って買った帽子には、青いバラがあしらわれている。花言葉は「夢かなう」

夢にまで見た憧れの風景

はい?ええ、今は妄想しませんよ~。ここを楽しまなきゃ損ですから~

デレステでの日菜子は、妄想コントロールの習得を一つの課題としてきている。かつて妄想のしすぎで失敗し、「現実の楽しいことを見逃しちゃったらもったいない」と反省していた日菜子。そんな日菜子が妄想より素敵で可愛く思える街並みを満喫する様子は、決定的な成長と言える。

童話の世界に入り込んだような、全てが可愛い尽くしの本物の街並みの体験は、これからの日菜子の妄想にもフィードバックされ、さらに妄想力に磨きをかけることになるだろう。

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メモリアルコミュ3、宣材写真撮影の一幕
まだ妄想をコントロールできず、現実を見逃すことがあった頃

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子のホーム画面セリフ
妄想より素敵な風景にはしゃぐ日菜子。妄想はしなくても押しは強い。

ハートの色はオレンジ

日菜子にとっての妄想は、夢中になれて、幸せな気持ちになれるもの。まさに夢見心地でいられるものだ。現実の素敵な景色に囲まれて、プロデューサーに優しく見守られていることを含めて、それが日菜子は夢見心地で幸せだというのだ。

プロデューサーに対してはこれまで、厚い信頼と親愛を寄せていること、優しく見守ってくれて、愛情を注いでくれる人だとも語られてきている。その上で、これまでに描かれた心情の中では、最も強い親愛の表現と言って良いだろう。

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子、特訓前の親愛度演出
どんなに振り切れていても、ハートの色は赤ではなくオレンジなのだ。今はまだ。

特訓エピソード:「喜多日菜子とプロデューサー」の再定義

仔細は省くが、このコミュは絶妙だ。是非自分の目で見てもらいたい。

背景にはTrust meのイベコミュが通じている。Trust meでは日菜子と王子様の関係が語り直された。王子様とアイドルのどちらを優先するかという問いに対して、たとえ王子様が現れても、アイドルを続けたいという答えがそれだ。

同じように、[トゥルー・ドリーム]の特訓エピソードでは、日菜子とプロデューサーの関係が語り直された。誘い受けな態度ではなくストレートに、純粋な疑問にはじまる。何かの予感が背中を押して、その通りだったら素敵だなあという思いが最後の一歩をまさに踏ませようとした瞬間を、「アイドルであること」に阻まれるという演出でだ。

この構造は日菜子の妄想によく出てくる展開と似ていることに、最近まで気づかなかった。

特訓後:妄想が現実になる日菜子の世界

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子+
カメラの向こうの王子様も、日菜子に夢中に違いない。

日菜子わーるど、その根源

お待ちしていました、王子様…。予習は完璧…あとは、本番を待つだけ

日菜子はいつかお姫様になるためにとたくさんの努力をしてきた。幼い頃から童話に触れて育ち、ワンピースでカーテシーの練習をしてきた。ドレスを着たときの振る舞いはどうあるべきかは、よく知っている。「王子様を迎えるお姫様」というシチュエーションは日菜子にとって、「予習は完璧」「あとは本番を待つだけ」の、最初から持っていた夢トゥルー・ドリームだ。

プロデューサーが用意した、妄想通りの絶好のロケーションのなか、長年の研鑽とイメージトレーニングの成果があらわれる。ずっとそうすることを夢見てきた妄想少女はいま、王子様を迎える本物のお姫様となる。

日菜子だからかかった魔法

日菜子を本物のお姫様にする「この瞬間にかけられた魔法」を、日菜子はプロデューサーがかけたものだと思っている*2。しかし、どんなに妄想通りの素敵なロケーションも、日菜子のためのドレスでさえ、日菜子をお姫様に仕立てあげることしかできない。では日菜子を本物のお姫様とするためにここまでに欠けていて、あの場所にあったものは何か。

それは喜多日菜子自身だ。なりたいと願ってきたお姫様像、そんなお姫様はどうあるべきかを常々妄想し、その日を夢見て備えてきた、喜多日菜子という女の子がそこにいたことだ。日菜子自身が磨き上げ積み重ねてきた妄想と、アイドルになるより前から続けてきた日々のレッスン、ここに通底する日菜子自身の一途な夢トゥルー・ドリームこそが、この瞬間にかけるべき魔法を完成させる。

日菜子とプロデューサーの舞踏会

王子様のいない撮影が終わり、アイドルの時間も終わっていく。魔法が静かに解けていこうとする頃、プロデューサーが日菜子を迎えに現れる。魔法の残滓が日菜子をまだお姫様にとどめているうち、日菜子が求めたのは、プロデューサーとのささやかな舞踏会だ。*3

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[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子、特訓後の親愛度演出。
魔法は解けてしまっても、この瞬間は確かにある。

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[トゥルー・ドリーム]特訓後のプロフィールテキスト
あとは王子様が来てくれるだけのところに、プロデューサーが現れた。
どう解釈するも自由だろうが、今はただこの事実だけで十分だろう

おわりに

[トゥルー・ドリーム]に描かれた喜多日菜子の姿は、そのひたむきさと、叶えたい夢に向かって正しい努力をしてきたことが身を結んでいる様子だった。アイドルとしても人間としても前に進んでいるからこそ、日菜子がアイドルになる以前からなりたいと夢見てきたお姫様像、「王子様が迎えにきてくれるお姫様」もやらせてもらえるようになった。

日菜子とプロデューサーの関係は、明確な親愛と信頼を確認した上で、今はまだその先を見るべき時ではない、の留保がついた。なぜなら、喜多日菜子はアイドルだからだ。王子様が現れてもアイドルを続けたいと思っているように。プロデューサーが最終的に日菜子の何であろうとも、今の日菜子はアイドルで、そして変わらずお姫様になりたいのだ。

[トゥルー・ドリーム]では、喜多日菜子がこの先に進むために必要な、確かな前進が描かれたのだと信じる。

これからの喜多日菜子の話をしよう。

関連リンク

*1:喜多日菜子とは (キタヒナコとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

*2:[トゥルー・ドリーム]のルームセリフ「〇〇さん、次はどんな魔法をかけてくれるんですか?」に由来する。そのほか、日菜子はプロデューサーのことを魔法使いとも表現することがある。

*3:日菜子Pというのは、自己認識が王子様だったり魔法使いだったり騎士だったり馬だったりする、とても多様性のある括りだ。そんな日菜子を愛する者たちに対して、舞踏会の終わり際、王子様でもお姫様でもないふたりが、密かに二人だけの時間を過ごす……という展開をお出ししてくることは、絶妙なバランス感覚と言わずにいられない。

ICPC2015 国内予選 参加記

後輩であるS氏(B4),I氏(B2)と共に,チームhinakochanとして参加しました.8問中最初の3問を解いて,競技終了時に73位でした.

ICPCとは大学対抗のチーム制プログラミングコンテストです.くわしくはこちら


とにかく3問を早く解き,その上で4問目を掴みたいという心持ちでした.チームの中で一番競プロのコードを書き慣れている私がさっさとABを解き,その間に後輩たちに先の問題を見てもらうというフォーメーションでした.

リハーサル時にプリンタに嫌われたりと様々な問題に直面しましたが,なんとか本番までに解消して,競技中は不便なく進めることができました.

  • とけた
    • A
      • 差の数列の部分を取って与えられた範囲の最大値を出す
    • B
      • 始点を[0, N)範囲で動かして貪欲に文字数57577を満たせるように取れた位置を出力
    • C
  • とけてない
    • D
      • 1000円出して500円が無条件で手に入るやつとそうでないやつに分類して云々と後輩たちが議論していた
      • そんなにめんどくさいならDPでできるんだろうなと思いつつ手が出なかった
    • E
      • 後輩から無言でスッと差し出された
      • 強連結成分分解っぽいと思ったが見えなかった
    • F
      • 後輩から差し出されなかったシリーズその1
      • ただの最小全域木では済まないとわかっただけ
      • 終了後にマトロイドというものを初めて知ることになる
    • G
      • 後輩から差し出されなかったシリーズその2
      • 幾何であることを確認して山にスッと戻した
    • H
      • I氏から簡単ですと言われたが本当かよと思いながら読んだら確かにそんな気はした
      • 1Mx1Mの空間はさすがに座標圧縮しないとまずい,各階層はDijkstraでいけるか,時間が足りないなこれ

CはS氏が擬似コードを書いてくれたのでほとんど実装するだけでしたが,その実装の中でそこそこ詰まってしまい,かなりの時間を使ってしまいました.

私がCをバグらせている間,S氏の顔色がみるみる悪くなっていくのを見て私も胃に穴が空きそうでした.正解を確認した瞬間は競技中で一番熱かった.

さて3問解いたというところで順位を見ると,70位,これではとてもだめ,あと1問.

D問題に殴られて死んだという感覚でいますし,チームメンバーもおそらくそうでしょう.無限に時間が消えていきました.一応全ての問題に目を通したのですが,名前だけ知っていて実装したことがない手法が必要になるなど,行けそうだという気持ちになれる問題が他になかったのです.競技プログラミングで書いてきたコード量の少なさは,我々全員が共通するマイナス要素でした.練習不足というほかにありません.


こうして非早生まれのM1であるberlysiaの最初で最後のICPCは終わりました.

チームメンバーであるS氏とI氏にはとても感謝しています.昨年度の頭,学部時代に所属していたサークルのプログラミング班が休眠していたのを換骨奪胎して,データ構造やアルゴリズムを学ぶ集団を興しました.彼らは最初からずっと付いてきてくれているなかのふたりです.

昨年度の活動を見ていて,ICPCに出場できるのは何代か後になるだろう,そこまでこの集団が続けばだが,私も出たかったが仕方ないな,などと思っていました.ですが年齢制限等の条件を知って,ラストチャンスなら出ないともったいないと,彼らは私に出場を勧めてくれたのです.メンバーがいないなら名前と競技中の身柄を貸す,とも.

OB/OGの会のwikiTwitterではメンバー募集を出していましたが,もうあの時には,私はこの後輩たちと出ようと心に決めていました.chokudai氏をはじめ拡散のご協力をいただき本当にありがとうございました.結局手が挙がることはありませんでしたが,誰かが出てきたらどうするつもりだったんでしょうね.


中高生のころに全力で読み飛ばしてしまった青春の一ページを,いまやっとめくったような心地でした.サークルの各位,特にS氏とI氏,本当にありがとう.エントリーすることを決めてからの1ヶ月強,あるいはサークルを興した日から今日まで,本当に幸せな日々だったと思います.

最後に,コーチを勤めていただいたM先生,監督を引き受けていただいたS先生,快くご協力いただきありがとうございました.