この記事は、喜多日菜子アドベントカレンダー2020の15日目の記事です*1。
はじめに
2020年12月、シンデレラガールズの世界に喜多日菜子が登場して9年が経とうとしています。いま、喜多日菜子を知るにあたって、過去に例を見ないほど適した時代が訪れています。
この記事では、ステレオタイプな喜多日菜子像を簡単に確認し、CV獲得以後の喜多日菜子がこれまでに何を獲得したかをまとめ、そこから期待できる今後の活躍を簡単に妄想します。
この記事を読めば、喜多日菜子のことを何も知らないところからでも、最近の喜多日菜子を雰囲気で知っている状態になれるはずです。
よく知られた喜多日菜子
喜多日菜子は、秋田県出身の15歳。妄想が趣味の、王子様との出会いを夢みる女の子です。
「むふふ」
日菜子の出番で最も主張が強い箇所は、その中身もさることながら、「むふふ」という表現とその表情にあるでしょう。
楽しいときの感情表現や、含みを持たせたような笑いかけ、妄想そのものや興奮させるような何か、その他様々な繊細なニュアンスを表すためにも用いられ、日菜子を特徴づける表現といえます*2。
妄想
日菜子にとっての妄想は、いつでもどこでも素敵なことを楽しめる娯楽でありながら、よりむふふな展開を求めるストイックさにも通じています。日菜子自身の活力の根源でもあり、日菜子を語る上では欠かせないものです。
日菜子の妄想は語られたうちだけでも極めて多彩なバリエーションがありますが、定番化している要素をあげると、「急展開」「ピンチが訪れる」「王子様のような役どころの人物が登場する」あたりはよく取り上げられます。
王子様
日菜子は、白馬に乗った王子様に迎えに来てもらえる日を夢みています。物語の中では王子様が迎えに来るのはお姫様だから、お姫様になりたいと願ってきました。
アイドルとしてのスカウトに即答したのも、物語に登場するお姫様そのものになることはできないけど、お姫様みたいなアイドルになることはできると考えたからでした。
もちろん、お姫様となること自体も日菜子にとっては重要なことです。王子様だけでなく、みんなに愛されるお姫様の姿に、日菜子は憧れています。
最近の喜多日菜子
2018年のCV獲得以後、喜多日菜子に関しては、大きなひとつのプロジェクトであるようにも思える一貫した展開が続いてきました。ユニット曲、ソロ曲、カバー曲や各種イベント、SRやSSRとして登場するたびに、喜多日菜子という人物はさらに活き活きと輝きを増し続けてきたのです。
アイドルとしての魅せ方を確立
[ギュっとMilky Way]および同イベントコミュにて、王子様への強い想いを、多くの人が共感できる、応援したくなるような姿として、アイドルとしての特徴に昇華させました。日菜子自身の得意分野を活かしつつ、他者を引き込むためにどうしたらいいかを、同コミュではユニットという前提も加えて、答えを出しました。
[あなたに捧ぐ王子様]では、みんなにとってのアイドルと、日菜子にとっての王子様は、同じように憧れを形にする存在だと気付きました。お姫様のようなアイドルとして、みんなに喜ばれ、愛され、夢中にさせたいという段階から、王子様という自身の憧れとの繋がりを見出しました。日菜子がさらに先へ踏み出すカギを手にしたことに、他なりません。
類い稀な妄想力から、見る者を引き込む多彩な世界観へ
「妄想のプロ」としての自己認識、[ファンシーポリス]や営業コミュで見せた、メルヘン・ファンシーばかりに縛られない引き出しの多さと瞬発力は、特徴というだけでなく、他に真似のできない日菜子の強さとして整いつつあります。
[お菓子なドリーミング]やTAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!イベコミュでは、夢中になれなきゃ夢じゃない、現実味がなければ冷めてしまう、などと妄想や夢に対する要求の高さが強調されています。また妄想を形にすることの難しさに直面する様子も描かれました。
[どうぞ、お手を…]では、妖しい魅力をまとうレディとして、繊細な世界観を演出してみせました。
冒険に試練はつきもの、その先の宝物を目指す主人公性
[見果てぬ夢]では、妄想のなかでも「百難越えてのハッピーエンド」を望むように、現実の試練に対してもその先の幸せを信じて立ち向かい、そんな冒険をさえ楽しむ度量をみせました。
[ギュっとMilky Way]イベコミュでも、経験のない挑戦を前にして躊躇せず、行き詰った状態を前にして自分から場を動かそうとする姿勢として、繰り返し描かれています。
ソロ曲「世界滅亡 or KISS」においても、こうした強い主体性は通底しています。
これからの喜多日菜子を妄想する
この項目は今後の予想ですから信頼性はないに等しいですが、ここまでの喜多日菜子の展開から地続きに予想できることを挙げていきます。
みんなを夢中にさせる、妄想の世界へ
妄想を形にする難しさ、他者を真剣にさせる難しさを身をもって知りながらも、他者を夢中にさせたいと望む日菜子。
ファンも、共演者も、あなたも。みんなを引き込み、真剣にさせる日菜子の世界を、私たちは見ることになるでしょう。
とくに日菜子主役の公演系イベントや作中劇は、根強く期待の声があります。昨今のアイドルとしての基礎を確立しつつある日菜子ならば、様々な困難からのカタルシスの演出まで、説得力あるものになるでしょう。
王子様への想いから転じて、多彩な思慕・愛情表現の起点に
ドリームアウェイでの活動を通して獲得した魅せ方の転換は、想いの強さをアイドルとしての強さにも繋げるものでした。
日菜子自身の強い想いと多彩な世界観表現力、どうやって他者を夢中にさせるかという視点ともあわせて、熱烈さばかりではない、多様で奥深い思慕・愛情の表現を任されるようになっていくでしょう。
アイドルとして、憧れられる存在としての一面を確立へ
共演者さえ勇気づける日菜子の前進性は、ファンにも強く伝わるものになっていくでしょう。誰よりも前で夢を現実にし、またその姿でみんなを勇気づけていくことでしょう。
また上述したように、王子様もアイドルも憧れを形にする存在と気付いた日菜子は、自らの王子様への憧れからも学び、アイドルとしてファンへ見せる姿を、より進化させていくでしょう。
さらに広がる交友、新しい一面を互いに引き出しあう
妄想や行動力による前進性にとどまらず、相手のことをよく観察して、気質や考え方に合わせた寄り添い・提案ができる日菜子は、繊細さと勢いを使い分けるオールラウンダーです。
妄想といえば日菜子、王子様といえば日菜子、さらに発展して、想像力や現場の火付け役としての役回りは定番となってきました。
TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!イベコミュ、[あなたに捧ぐ王子様]での妄想キャスティングで、他アイドルたちの思わぬ一面を引き出す存在としても、日菜子だから仕方ないというだけの説得力を伴いつつあります。
日菜子自身の人物としての特徴が明確になったこともあわせて、作劇の上でも使いやすい存在になり、活躍の幅はさらに大きく広がっていくでしょう。
おわりに
ここに挙げたのは喜多日菜子の魅力のほんの一部で、しかも筆者が整理した範囲にすぎません。まだ知られていない切り口や、押し出しは控え目だが備えている魅力というのは、見る方の数だけ浮かび上がってくることでしょう。
今後の展開についてもいくらか予想を示しましたが、すべての想像を斜め上に越えてしまっても、何もおかしくはありません。あらゆる「あたりまえ」を打ち破り、第一例を作ってきたのが喜多日菜子です。
喜多日菜子は、みんなに愛され慕われる、愛と勇気のプリンセスです。
あなたは日菜子の手を取りますか? 手を引かれる方ですか? それとも、手を取りあいますか?
叶えれば叶えるだけふくらんでゆく、果てのない夢と妄想の先へ、日菜子といっしょに歩みましょう。
さらに喜多日菜子を知る関連情報
*1:大遅刻
*2:たくみP(2019), 日菜子の「むふふ」のバリエーションとその頻度分布