この記事は、喜多日菜子アドベントカレンダー2020の9日目の記事です。
はじめに
イベント「ギュっとMilky Way」の開催からまもなく1周年になろうとし、そして新年ライブでの「ギュっとMilky Way」初披露が期待されています。
改めて喜多日菜子、佐久間まゆのデュオユニット「ドリームアウェイ」を整理し、このユニットの周りで喜多日菜子に何が起こったのか、ドリームアウェイとは何を託されているユニットなのか、いくらかの考察あるいは妄想を示していきます。
ドリームアウェイに関する背景知識
改めて、ドリームアウェイは、喜多日菜子、佐久間まゆのデュオユニットです。
2018年3月、「第28回アイドルLIVEロワイヤル」で初めてユニットとして登場しました。その年の第7回シンデレラガール総選挙にて、喜多日菜子はPa属性3位でCV獲得を確定し、喜多日菜子役として深川芹亜さんが発表されます。このタイミングでのユニット設定ということから、喜多日菜子のCV獲得以後の展開において重要な一面を担うことが予想されていました[要出典]。
デレステでは、2018年12月に第7回総選挙9人曲である「Trust me」のイベントにて、ユニットとしてではない喜多日菜子と佐久間まゆとして登場します。その交流の様子は、大変なインパクトを与えるものでした[要出典]。
そして翌年2019年12月、晴れて喜多日菜子と佐久間まゆのふたりは、デュオユニット「ドリームアウェイ」として、新曲「ギュっとMilky Way」をひっさげてイベントに登場したのでした。
「ギュっとMilky Way」とはどういう曲なのか
イベント「ギュっとMilky Way」の中で、喜多日菜子と佐久間まゆは、この曲の作詞の手伝いをします。ドリームアウェイというユニットらしいアイドルソングとして、どのような曲にすべきかを、ふたりで見出していきます。
イベント内ではこの答えを、「ふたりの恋や妄想そのものではなく、恋をしているときの幸せな気持ち、妄想しているときのむふふな気持ちを届けたい」、と説明しています。
このことと対応するように、それぞれの恋心や妄想の具体的な話ではなく、誰にも共感できるような気持ちとして描かれています。また、「絶対に入れてほしいワード」のようなリクエストをする様子もあって、喜多日菜子と佐久間まゆそれぞれの要素が取り入れられていることがうかがえます。
歌詞に立ち返る
1番2番がめちゃめちゃまゆ日菜子だよねって話
実際に歌詞を見ると一目瞭然となので、まるっと引用します。
前からも 後ろからもギュっして ?を浮かべるよりも ♡を浮かべたいから 曖昧じゃなくて 素直な言葉で キミの胸の愛を伝えて 憧れのデートプラン 今すぐ現実(ホント)にしよう キミと2人ならどこまでも行ける 手と手つなぎながら 少しずつ編み上げてくように 運命の赤い糸が絆になるの 前からも 後ろからもギュっして 体中でキミの愛(ネツ)を感じたい 大スキと大スキがギュっとしたら ギュっじゃ足りない 目を閉じるの CHUっとしてほしいな 恋はロマンス ♪がはじけるように ☆たちが輝く夜 お姫さま抱っこしてくれませんか? 甘い夢を見せて これからも2人は永遠と 信じてる 星座のように結ばれてるの その胸で包み込んでギュっして ときめいては溢れ出してMilky Way 大スキと大スキがギュっとしたら キミの夢とひとつになる 未来もギュっとして 恋はファンタジー (略)
イベント報酬テキストの割り当てや、これまでのセリフの特徴などに由来して、破線でピンク色は佐久間まゆに、二重線でオレンジ色は喜多日菜子にそれぞれなぞらえられていると読めそうではないでしょうか。M@STER VERSIONの譜割りとも、それなりに対応します。
どちらかに分類していない箇所にもわりあてていくことは可能かもしれませんし、異なる分類も可能でしょう。ここで重要なのは、イベコミュの流れ通りに、実際にドリームアウェイのふたりの要素が取り入れられていそうだ、という点なので、分け方に関する議論は控えておきます。
最後の5行
さてCD発売当時、「ギュっとMilky Way」のフルを聞いたPたちは口々に「最後の5行」と発して沈黙していきました。この話題は2月27日放送の『もっと☆デレステNIGHT』でも言及されるなどしました。問題の歌詞を確認しましょう。
(略) 運命の人はきっと キミだと信じてるから 頑張れるような気がするの キミの夢が見たくて キミと夢の先まで
ここまで喜多日菜子と佐久間まゆそれぞれの要素を拾って展開されてきた以上は、ここにもふたりの要素があるという前提に立つと、日菜子Pの視点ではひとつ大きな疑問が立ち上がります。
喜多日菜子にとっての「運命の人」、そして「キミ」とは、誰なんでしょうか?
それぞれの恋心と妄想
デレステで説明されている佐久間まゆの恋心
佐久間まゆの恋における「キミ」がプロデューサーであることは、メモリアルコミュの時点で疑いがないように思えます。
そしてその恋をどういう形で叶えようとしているか、というのも、1枚目SSR[フィールマイハート]が真っ先に提示しています。4枚目SSR[想いプレゼント]も合わせて、プロデューサーが求めるようにアイドルとして輝いた果てに、素敵になった自分を受け取ってもらうという形を目指しています。
デレステで説明されている喜多日菜子の妄想
日菜子のメモリアルコミュを見ると、「運命の人」が彼女のいう「王子様」に一致することはすぐにわかりますが、具体的に誰なのかというのは見えてきません。それもそのはずで、日菜子は王子様に見つけてもらうためにアイドルになる道を選んだのでした。*1
「Trust me」でのふたりの交流
喜多日菜子にとって、そしてドリームアウェイにとって欠かせないのが、イベント「Trust me」での交流です。この時点のふたりはまだユニットとしての押し出しはありませんが、イベコミュ内では恋心と妄想の話を膨らませる様子が描かれました。
ここまでストレートに恋の話を楽しむまゆさんはなかなか見られないと、担当でなくとも思えるほどです。ここまで王子様の妄想について来られる相手というのも、日菜子にとっては珍しいでしょう。
「運命の人」と「アイドル」、どちらを選ぶか
「Trust me」イベコミュ第5話にて、喜多日菜子はある疑問に辿り着きます。もし王子様が見つかったら、日菜子はどうしたらいいんだろうか、アイドルを続けられるだろうか。運命の人とアイドル、どちらかを選ばなければならないとしたら、どうするか?
上述したように佐久間まゆは、この問いに答えを出しています。アイドルとして輝くことが、私の運命の人が喜ぶことだから。アイドルでいる限り、本当の意味で一緒にはなれないとしても、運命の人のそばにいることはできるから。
この佐久間まゆの答えと、居合わせた鷹富士茄子の一押しにより、喜多日菜子もまた自分の答えにたどり着きます。
こうして喜多日菜子は、「運命の人=王子様」と「アイドル」を両立するにあたっての、確信を手にしたのです。
ここで見つけた「キラキラしている自分の姿を見せる」というアプローチは、イベント「ギュっとMilky Way」でのふたりが見つけた、「恋をしているときの幸せな気持ち、妄想しているときのむふふな気持ちを届けたい」にも、通じているかもしれません。何かに夢中になって楽しそうな様子は、同じように応援したくなるものです。
日菜子にとってのプロデューサー
王子様とアイドルの話には答えを手にした喜多日菜子ですが、ではプロデューサーは日菜子の何なのでしょうか?
じつは日菜子にとってのプロデューサーがどんな存在かというのは明白で、[夢みるプリンセス]の段階から、もしかしてプロデューサーが王子様なのでは、王子様はプロデューサーみたいな人がいいな、と語られてきました。
[ギュっとMilky Way]のエピソードにおいても、少なくとも日菜子にとってプロデューサーは大切な人である、と改めて語られています。
日菜子の王子様はプロデューサーなのか?
「ギュっとMilky Way」の発表前に追加された、シンデレラフェス限定SSRの[トゥルー・ドリーム]喜多日菜子。その特訓エピソードは、この問いに最も踏み込むものになっています。
最終的な答えはいつかの未来に託されるのですが、[トゥルー・ドリーム]の特訓エピソードを見ると、「運命の人はきっと/キミだと信じてるから」と歌う日菜子が何を考えているかは、わざわざ説明する必要がなくなります*2。
[トゥルー・ドリーム]のことは以前まとめたので、よければ参考にしてください。
さて、ここまで辿ってやっと、喜多日菜子に「運命の人はきっと/キミだと信じてるから」と歌わせることができるのでした*3。
ドリームアウェイの名に託されたもの
夢のように
ドリームアウェイというユニット名は、そのまま熟語 "dream away" として読むことができます。
dream away
夢のように過ごす
https://ejje.weblio.jp/content/dream+away
[Trust me]喜多日菜子のイラストやイベコミュ3話、はたまた営業コミュ等の空気を思い返すと、良い感じにふたりの様子を説明していそうです。
妄想も、秘めた恋も、いつか現実に
ここまで読んでいただいたあなたなら、喜多日菜子と佐久間まゆがそれぞれの形で「運命の人」と「アイドル」の関係を固め、アイドルとしての活動を大事にすると決めていることは、ひとまずご承知いただけるでしょう。するとこのふたりの共通点として、それぞれの恋心と妄想が成就する瞬間が、アイドルとしての人生の先、遥かな未来に置かれていることが挙げられます。
このことから筆者は、ドリームアウェイというユニット名に、 "A dream which is far away." という文を見出します。それぞれの恋心と妄想、あるいはアイドルとしての成功が叶う瞬間を夢とおくなら、その夢は未だ遥か遠くにあり、そしていつかきっと叶えたいもの、だと言えるからです。
ドリームアウェイの名はもしかすると、夢見心地でふわふわとしてかわいらしい様子だけでなく、こうした想いに支えられた強い意志にも通じているのです。
おわりに
ドリームアウェイというユニットとして、それぞれの抱える特別強い想いと、それをユニットとしてどう見せていくかという問題に答えたひとつの形として、「ギュっとMilky Way」という曲にたどりついたことを確認しました。
喜多日菜子は、ドリームアウェイでの活動、佐久間まゆとの交流を経て大きく前進しました。今後の彼女のアイドルとしての活動を支える、大事なことを獲得したのだと確認しました。
ドリームアウェイというユニットの名には、もしかするとふたりの想いの強さもまた、織り込まれているのかもしれないよ、という話をしました。
今後のふたりのさらなる活躍に、期待がかかります。
そんな喜多日菜子ですが、ソロ曲「世界滅亡 or KISS」ではとうとう、「私が決めたんだからあなたこそ運命」と言いはじめました。
喜多日菜子という愛と勇気のプリンセスの歩みは、留まるところを知りません。